??「おじさん、ぼけっとつったってるんなら一緒にカード探して!」
それは全く意図していない出会いだった。
遡ること1年前の2月、大学時代の先輩が富山に転勤になった祝いで先輩と飲み明かしていた。
その先輩は大学時代はアルバイトに明け暮れていたが、社会人になってからは海外旅行へ行ったり、スノーボードをやったりと趣味に没頭しているとのことだった。
先輩「お前趣味はあるの?」との些細な質問に「ん~…」と言葉が詰まった。
小さい時は多くあった。ミニ四駆から始まりビーダマン、ハイパーヨーヨー、バーコードバトラー、ホバークラフト、熱血くにおくんシリーズ・・・当時は友達の家に入り浸り、17時のサイレンが聞こえなく成程熱中していた。
しかし大人になるにつれて部活、恋愛、受験と忙しい日々を過ごし振り返れば趣味というものを過去に置いてきてしまったのようだ。
言葉が詰まり一生懸命思い出している自分に先輩は今はなくてもそのうち見つかるよと行き止まりの会話を逸らしてくれた。
そして飲み会が終わった次の日、外は大雪で辺り一面真っ白のか、別にほしいものがあったわけではないが先輩のアパート近くにあったマンガ倉庫に足を向けた。
古着コーナーからマンガコーナーを回りフィギュアコーナーを過ぎた所で何か懐かしい匂いがした。それがどこからしたのかはわからず、クンクン匂いを嗅ぎながら辺りを歩いていると一人の少年が当たり前のように声をかけてきた。
少年「おじさん、ぼけっと突っ立ってるんなら一緒にカード探して!」
自分は動転した。
二日酔いのせいか頭が正常に働いてないので、自分の背後に友人でもいるのか?
と疑って振り返ったほどだ。
少年「違う違う!おじさんのこと!今ね~ギャラクシールピア探してるんだけどないの!だから一緒に探して!」
自分「いやまて、おじさんちゃうわ!まだピチピチの27歳じゃ」
少年「へ~。(興味ゼロ)で、早く探して!」
少し冷静さを取り戻した自分は知らんぷりして帰ろうかと思った。
しかし少年を見ると服や髪がびちゃびちゃだった。おそらく大雪のなか歩いて来たせいだろう。その少年の目は幼さがあるものの、本気の目をしていた。
自分「見つけたらお兄さんて呼べよ?」
と言われるがままに壁一面にあるカードコーナーへ行った。
自分「ちょっとカードありすぎてこれじゃ見つからねーよ!」
少年「だから声掛けたの!文句いわず探して!」
自分「無理無理!」
少年「気合!」
と押し問答を繰り返し5分ほど一緒に探した。それでも見つからないまま時間だけが過ぎていった。
時間が経てば経つほど少年以上に自分も火がついてきた。
自分「え、このカード強くね?」
少年「それ、持ってるわw」
そしてさらいに5分後、iPhoneなどでギャラクシールピアを情報を引き出しつつ、ついに発見した!
自分「!?!?!?おい!これじゃね?」
少年「・・・・おぉぉぉー!!これこれ!!おじさんありがとー!」
自分「おにいさんだバカやろー!」
あまりにもうれしくてハイタッチをするほど熱中してた。
少年「うし、さっそく買ってくるわ!」
自分「おう、行って来い!」
意気揚々と会計レジへ向かった少年はなぜか泣きそうな顔ですぐに戻ってきた。
自分「どうしたんや?」
少年「・・・」
自分「なにがあったんや?」
少年「お金たりんだ・・・」
自分「・・・」
しかし自分に迷いはなかった。
自分「ならお兄さんがギャラクシールピア買うてやる」
少年「ふぇ?」
自分「だから俺が買ってやる。その代りちゃんとカード大事にしろよ?」
少年「ふぇ?」
そして少年からカードを奪ってレジでお会計を済ませた。
少年「え、いいの?」
自分「いいんやで!お兄さんも大事なものを見つけたんやからな!」
少年「?」
自分「まぁ気にすんな、とりあえず雪凄いから気を付けて帰れよ?」
少年「わかった、じゃあね!おじさん!」
自分「お・兄・さ・ん・や」
そういって少年とはお別れした。
そのあとにカードコーナの隅っこに追いやられていたMTGの束を見つけた。
思わず目を閉じてカードの束の匂いを嗅ぐ。懐かしい匂いの元はこれだった。
小学生のころルールもわからず、友達とそれっぽいゲームをしていたころを思い出す。
あの時はそれだけで楽しかった。なぜなら実際に魔法を使っているような気分を味わえたからだ。
ゆっくりと目を開ける。その表情は少年のように戻っていた。
※長文すみません
それは全く意図していない出会いだった。
遡ること1年前の2月、大学時代の先輩が富山に転勤になった祝いで先輩と飲み明かしていた。
その先輩は大学時代はアルバイトに明け暮れていたが、社会人になってからは海外旅行へ行ったり、スノーボードをやったりと趣味に没頭しているとのことだった。
先輩「お前趣味はあるの?」との些細な質問に「ん~…」と言葉が詰まった。
小さい時は多くあった。ミニ四駆から始まりビーダマン、ハイパーヨーヨー、バーコードバトラー、ホバークラフト、熱血くにおくんシリーズ・・・当時は友達の家に入り浸り、17時のサイレンが聞こえなく成程熱中していた。
しかし大人になるにつれて部活、恋愛、受験と忙しい日々を過ごし振り返れば趣味というものを過去に置いてきてしまったのようだ。
言葉が詰まり一生懸命思い出している自分に先輩は今はなくてもそのうち見つかるよと行き止まりの会話を逸らしてくれた。
そして飲み会が終わった次の日、外は大雪で辺り一面真っ白のか、別にほしいものがあったわけではないが先輩のアパート近くにあったマンガ倉庫に足を向けた。
古着コーナーからマンガコーナーを回りフィギュアコーナーを過ぎた所で何か懐かしい匂いがした。それがどこからしたのかはわからず、クンクン匂いを嗅ぎながら辺りを歩いていると一人の少年が当たり前のように声をかけてきた。
少年「おじさん、ぼけっと突っ立ってるんなら一緒にカード探して!」
自分は動転した。
二日酔いのせいか頭が正常に働いてないので、自分の背後に友人でもいるのか?
と疑って振り返ったほどだ。
少年「違う違う!おじさんのこと!今ね~ギャラクシールピア探してるんだけどないの!だから一緒に探して!」
自分「いやまて、おじさんちゃうわ!まだピチピチの27歳じゃ」
少年「へ~。(興味ゼロ)で、早く探して!」
少し冷静さを取り戻した自分は知らんぷりして帰ろうかと思った。
しかし少年を見ると服や髪がびちゃびちゃだった。おそらく大雪のなか歩いて来たせいだろう。その少年の目は幼さがあるものの、本気の目をしていた。
自分「見つけたらお兄さんて呼べよ?」
と言われるがままに壁一面にあるカードコーナーへ行った。
自分「ちょっとカードありすぎてこれじゃ見つからねーよ!」
少年「だから声掛けたの!文句いわず探して!」
自分「無理無理!」
少年「気合!」
と押し問答を繰り返し5分ほど一緒に探した。それでも見つからないまま時間だけが過ぎていった。
時間が経てば経つほど少年以上に自分も火がついてきた。
自分「え、このカード強くね?」
少年「それ、持ってるわw」
そしてさらいに5分後、iPhoneなどでギャラクシールピアを情報を引き出しつつ、ついに発見した!
自分「!?!?!?おい!これじゃね?」
少年「・・・・おぉぉぉー!!これこれ!!おじさんありがとー!」
自分「おにいさんだバカやろー!」
あまりにもうれしくてハイタッチをするほど熱中してた。
少年「うし、さっそく買ってくるわ!」
自分「おう、行って来い!」
意気揚々と会計レジへ向かった少年はなぜか泣きそうな顔ですぐに戻ってきた。
自分「どうしたんや?」
少年「・・・」
自分「なにがあったんや?」
少年「お金たりんだ・・・」
自分「・・・」
しかし自分に迷いはなかった。
自分「ならお兄さんがギャラクシールピア買うてやる」
少年「ふぇ?」
自分「だから俺が買ってやる。その代りちゃんとカード大事にしろよ?」
少年「ふぇ?」
そして少年からカードを奪ってレジでお会計を済ませた。
少年「え、いいの?」
自分「いいんやで!お兄さんも大事なものを見つけたんやからな!」
少年「?」
自分「まぁ気にすんな、とりあえず雪凄いから気を付けて帰れよ?」
少年「わかった、じゃあね!おじさん!」
自分「お・兄・さ・ん・や」
そういって少年とはお別れした。
そのあとにカードコーナの隅っこに追いやられていたMTGの束を見つけた。
思わず目を閉じてカードの束の匂いを嗅ぐ。懐かしい匂いの元はこれだった。
小学生のころルールもわからず、友達とそれっぽいゲームをしていたころを思い出す。
あの時はそれだけで楽しかった。なぜなら実際に魔法を使っているような気分を味わえたからだ。
ゆっくりと目を開ける。その表情は少年のように戻っていた。
※長文すみません